平成24年度 公募研究の募集を開始しました
こちらの募集は終了しました
2011-09-01
遺伝子発現は、DNAにコードされたゲノム情報、DNAのメチル化、ヒストンのリン酸化・アセチル化・メチル化などクロマチン修飾で調節されるエピゲノム情報、そして転写因子作用など、これらが形成する転写環境によって制御される。このような転写環境は、核内複合体と連動して、細胞種特有のアイデンティティーの確立や増殖・分化などの多様な細胞機能に深く関係している。一方、細胞のエネルギー代謝は、その増殖状態や分化段階によりダイナミックに制御され、恒常性維持や新しい定常状態への移行を実現している。その際、解糖系、TCAサイクルやメチオニン回路などの代謝産物 (=生命素子; ATP、SAM等) の一部は、転写環境の形成にも利用されている。
本領域では、転写環境の構築とエネルギー代謝のクロストーク制御を理解するアプローチとして、修飾基転移酵素による書き込み(Writing)、アダプター分子による修飾基の読取り(Reading)、脱修飾酵素による消去(Erasing)や、クロマチン修復による書換え(Rewriting)のメカニズムに着目し、転写環境が代謝に働きかける作用、あるいは、細胞・個体内外のシグナルによって生じる代謝の変化が転写環境の構築に及ぼす作用を明らかにすることを目指す。
このため以下の研究項目について、「計画研究」により重点的に研究を推進するとともに、これらに関連する2年間の研究を公募する。1年間の研究は応募の対象としない。なお、研究分担者を置くことはできない。
公募研究の採択目安件数は、単年度当たり(1年間)の応募額800万円を上限とする研究を5件程度、400万円を上限とする研究を15件程度予定している。
特に生物種は限定せず、ケミカルバイオロジー等の研究の提案も期待する。
(研究項目)
A01 生命素子による転写と代謝のクロストーク制御の解明